ベビーカーを選び始めると、「A型とB型は何が違う?」「A型を買ってからB型へ買い替える必要がある?」と迷うことがあります。
A型とB型の大きな違いは、単純な重さや価格ではなく、赤ちゃんが使い始められる時期と、その時期に合わせたシート設計です。
現在のSG基準では、A型は新生児期を過ぎた生後1か月から、B型は一人でおすわりができる時期である生後6〜7か月ごろから使えるものとして分類されています。ただし、実際の使用開始時期や使用できる体重・月齢は製品ごとに異なるため、商品表示と取扱説明書の確認が必要です。
この記事では、ベビーカーA型・B型の違いを比較し、生活スタイルごとの選び方や、1台で済ませられる家庭、買い替えが向いている家庭まで整理します。
ベビーカーA型・B型の違いを早見表で比較
先に結論を整理すると、低月齢からベビーカーを使いたい場合はA型、おすわりが安定してから使い始め、軽さや収納性を優先したい場合はB型が基本の候補です。
| 比較項目 | A型ベビーカー | B型ベビーカー |
|---|---|---|
| 使い始める時期 | 新生児期を過ぎた生後1か月から使える製品が中心 | 一人でおすわりができる生後6〜7か月ごろから使える製品が中心 |
| 使用できる期間 | 最長48か月までの範囲で製品ごとに設定 | 最長48か月までの範囲で製品ごとに設定 |
| シートの姿勢 | 低月齢の赤ちゃんを寝かせた姿勢で乗せやすい設計 | おすわりができる子供を起こした姿勢で乗せる設計 |
| リクライニング | 深く倒せる製品が多い | 角度が浅い製品や、調節範囲が限られる製品もある |
| シートの向き | 対面・背面を切り替えられる製品が多いが、必須機能ではない | 背面式が中心だが、製品によって異なる |
| 重さ・大きさ | 機能が多い分、B型より重く大きい傾向がある | 軽量でコンパクトな製品が多い |
| 走行性 | 安定感や乗り心地を重視した製品が多い | 軽さを優先した製品から走行性を重視した製品まで幅がある |
| 向いている使い方 | 低月齢からの外出、徒歩移動、長時間のお出かけ | 電車移動、階段、旅行、近所への短時間のお出かけ |
「A型なら重い」「B型なら走りにくい」とは限りません。軽量なA型や、走行性を重視したB型もあるため、型は候補を絞る最初の基準として使い、最後は個別の仕様を比較することが大切です。
※A型・B型の適用月齢は、一般財団法人製品安全協会が2025年6月に改正した「ベビーカーのSG基準」をもとに整理しています。月齢は一般的な目安であり、子供の成長には個人差があります。
A型とB型の最も大きな違いは使い始める時期
A型とB型を分ける中心的な基準は、ベビーカーを使い始める月齢です。
A型は新生児期を過ぎた生後1か月から使える
A型ベビーカーは、新生児期を過ぎた生後1か月から使える製品として分類されています。
首や腰がすわる前の赤ちゃんを乗せることを想定し、背もたれを深く倒せるシートや、身体を支えやすい構造を採用した製品が中心です。
ただし、すべてのA型が生後1か月から使えるとは限りません。製品によっては、使用開始時期を首すわり後などに設定している場合もあります。
「A型」という表示だけで判断せず、次の項目を確認してください。
- 使用できる月齢
- 使用できる体重
- リクライニングの使用条件
- 低月齢用クッションの取り付け方法
- 対面・背面それぞれの使用条件
B型は一人でおすわりができる生後6〜7か月ごろから
B型ベビーカーは、一人でおすわりができる時期である生後6〜7か月ごろから使える製品として分類されています。
以前の解説では「B型は生後7か月から」と書かれていることが多くありますが、2025年6月改正のSG基準では「おすわりができる時期(6〜7か月)」という表記になっています。
ただし、生後6か月になったことだけを理由に、どのB型でも使えるわけではありません。おすわりの安定する時期には個人差があり、製品側の使用開始月齢も異なります。
子供が一人で安定して座れるか、商品の対象月齢を満たしているかの両方を確認してから使用することが基本です。
A型ベビーカーが向いている家庭
A型は、低月齢の時期からベビーカーで外出する予定がある家庭に向いています。
生後1〜6か月ごろから外出に使いたい
健診、買い物、上の子の送迎などで、赤ちゃんがおすわりできる前からベビーカーを使う場合はA型が候補になります。
B型を使える時期まで抱っこ紐だけで過ごすのが難しい場合にも、A型を用意しておくと移動手段を分けやすくなります。
徒歩で移動する時間が長い
徒歩移動が中心で、舗装の継ぎ目や段差のある道を長く押す場合は、軽さだけでなく車輪の大きさ、フレームの安定感、押しやすさも重要です。
A型には走行性や振動への配慮を重視した製品が多くあります。ただし、走行性はA型という分類だけで決まらないため、店頭で押したときの曲がりやすさや段差の越えやすさも確認しましょう。
最初から1台で長く使いたい
軽量で折りたたみやすいA型を選べば、B型へ買い替えずに使い続けられる場合があります。
特に、階段を持ち運ぶ機会が少なく、玄関や車に十分な収納スペースがある家庭では、A型1台でも不便を感じにくいでしょう。
A型が向きにくい場合
次の条件が重なる場合は、A型の重さや収納時の大きさが負担になることがあります。
- エレベーターのない建物で階段移動が多い
- 電車やバスで頻繁に折りたたむ
- 車の荷室や玄関が狭い
- 旅行先へ持って行く機会が多い
- 子供が成長した後も頻繁に持ち上げる必要がある
A型を選ぶ場合でも、本体重量だけでなく、折りたたんだ状態で持ち上げやすいかを確認しておくと判断しやすくなります。
B型ベビーカーが向いている家庭
B型は、ベビーカーを使い始める時期を待てて、持ち運びや収納のしやすさを優先したい家庭に向いています。
おすわりできるまでは抱っこ紐などで対応できる
低月齢の時期は抱っこ紐や車移動が中心で、ベビーカーを使う機会が少ない家庭なら、最初からB型を購入する方法があります。
A型を短期間しか使わない可能性がある場合は、A型をレンタルし、おすわりが安定した後にB型を購入する選択肢もあります。
階段や公共交通機関を利用することが多い
B型は軽量でコンパクトな製品が多く、階段で持ち上げたり、電車内で折りたたんだりする場面に対応しやすい傾向があります。
ただし、子供を抱えたまま安全にたためるとは限りません。片手で開閉できるか、自立するか、持つ部分があるかなど、実際の操作方法も確認してください。
旅行や車で持ち運びたい
旅行や帰省、車移動が中心の場合は、折りたたんだときの寸法が重要です。
「コンパクト」と表示されていても、折りたたみ方や奥行きは製品によって異なります。車の荷室に積む場合は、荷室の開口部とベビーカーの折りたたみ寸法を測って比較しましょう。
B型が向きにくい場合
次のような家庭では、軽さを優先したB型よりも、走行性やシート機能を重視した製品が合う場合があります。
- 舗装されていない道や段差の多い道をよく通る
- 長時間のお出かけに使うことが多い
- 買い物の荷物を多く載せたい
- リクライニングを細かく調節したい
- 低月齢からベビーカーを使いたい
B型の中にも、走行性や収納力を重視した製品があります。B型を選ぶ場合も、軽さだけで決めないことがポイントです。
A型とB型は両方必要?3つの買い方を比較
A型とB型を必ず両方購入する必要はありません。使用開始時期と移動方法を整理すると、主に3つの買い方に分けられます。
| 買い方 | 向いている家庭 | 注意点 |
|---|---|---|
| A型を1台使い続ける | 低月齢から使いたい、持ち運ぶ場面が少ない、買い替えを減らしたい | 子供が成長した後の重さや収納性も確認する |
| 最初からB型を購入する | おすわりまでベビーカーなしで対応できる、軽さを優先したい | 対象月齢前には使用できない |
| A型からB型へ買い替える | 低月齢から使い、成長後は電車・階段・旅行で軽いものを使いたい | 購入費用と保管場所が必要になる |
A型1台で済ませやすいケース
- エレベーターを利用できる
- 徒歩移動が中心
- ベビーカーを持ち上げる機会が少ない
- 軽量・コンパクトなA型を選べる
- 折りたたんだ状態で玄関や車に収納できる
B型だけで済ませやすいケース
- 生後6〜7か月ごろまで抱っこ紐で対応できる
- 低月齢の時期は車移動が中心
- ベビーカーを使い始める時期を急いでいない
- 階段や公共交通機関を利用することが多い
- 保管スペースが限られている
A型からB型への買い替えが向いているケース
A型の重さや大きさが負担になり、外出先で使わなくなってきた場合は、B型への買い替えを検討するタイミングです。
一方で、A型を問題なく持ち運べているなら、月齢だけを理由に買い替える必要はありません。子供が成長しても対象月齢・体重の範囲内で、各部に異常がなければ、製品の条件に従って使い続けられます。
A型・B型だけでは決められない7つの比較ポイント
ベビーカー選びでは、A型かB型かを決めた後の比較が重要です。次の7項目を実際の外出場面に当てはめて確認しましょう。
1.本体重量と持ち上げやすさ
本体重量が軽くても、持つ場所が分かりにくかったり、折りたたんだ状態で幅が広かったりすると運びにくい場合があります。
階段を使う予定がある場合は、店頭で持ち上げられるか確認し、子供の荷物が増えた状態も想定して選びましょう。
2.折りたたみ寸法と自立の有無
玄関、車の荷室、集合住宅の共用部など、実際に置く場所の寸法を測ります。
自立する製品でも、車輪の向きやハンドルの位置によって必要なスペースが変わることがあります。
3.押しやすさと曲がりやすさ
押しやすさは、車輪の構造、フレーム、ハンドルの高さ、子供を乗せたときの重心などで変わります。
空の状態では軽く動いても、荷重がかかると操作感が変わる場合があります。可能であれば、店頭の重りを載せた状態でも試してください。
4.段差の越えやすさ
小さな車輪は軽量化や収納性に向く一方、段差や溝で引っかかりやすく感じる場合があります。
普段通る歩道、駅、マンションの入口などを思い浮かべ、車輪の大きさや前輪を浮かせる操作のしやすさを確認しましょう。
5.リクライニングとシートの広さ
リクライニングの角度だけでなく、片手で調節できるか、子供を乗せた状態で操作しやすいかも確認します。
シートの幅や背もたれの高さは製品差があるため、対象月齢内でも体格によって窮屈に感じる場合があります。
6.収納カゴの位置と出し入れ
収納カゴは容量だけでなく、シートを倒した状態で荷物を取り出せるかが重要です。
荷物をたくさん運ぶ家庭では、普段使うマザーズバッグや買い物袋が入るかを確認してください。
7.シートや幌の手入れ方法
シートが取り外せるか、洗濯機を使えるか、手洗いのみかは製品ごとに異なります。
食べこぼしや汗が気になる時期まで使うことを考え、取り外し手順や乾かしやすさも比較すると管理しやすくなります。
AB型ベビーカーやバギーとの違い
ベビーカー売り場では、A型・B型のほかに「AB型」や「バギー」と書かれていることがあります。
AB型は正式なSG基準の分類ではない
SG基準で定められている分類は「A形」と「B形」であり、「AB型」という正式な区分はありません。
一般的には、低月齢から使えるA型の機能を持ちながら、比較的軽量でコンパクトな製品がAB型と呼ばれています。分類上はA型に含まれるため、AB型を探す場合は、A型の中から軽さや折りたたみ寸法を比較すると見つけやすくなります。
バギーも統一された正式名称ではない
バギーは、一般的に軽量で簡易的なベビーカーを指す呼び方です。B型に近い製品が多いものの、バギーという名称だけでは対象月齢や機能を判断できません。
「バギーだから生後7か月から使える」と決めつけず、商品ごとの対象月齢、体重、リクライニング、シートベルトの仕様を確認してください。
海外規格のベビーカーは対象月齢を直接確認する
海外メーカーのベビーカーには、日本のA型・B型という名称を前面に出さず、対応する規格や使用できる月齢・体重を表示している製品があります。
A型・B型の呼び方に当てはめるだけでなく、メーカーが指定する使用開始時期、姿勢、体重上限、必要な付属品を確認しましょう。
購入前に確認したい安全チェックリスト
A型とB型のどちらを選ぶ場合も、安全性は型だけでは判断できません。購入前と使用前に、次の項目を確認してください。
- 対象月齢と体重の両方が子供に合っているか
- 子供の体格に合わせて肩・腰・股ベルトを調節できるか
- 折りたたみ部分や可動部分に異常がないか
- ストッパーを無理なく操作できるか
- 取扱説明書と警告表示を確認できるか
- 安全基準への適合を示す表示があるか
- 中古品の場合は使用期間、型番、リコール、部品の欠落を確認できるか
子供PSCマークと経過措置について
ベビーカーは2026年7月8日から子供用特定製品に指定され、国の技術基準や警告表示の条件を満たした製品には「子供PSCマーク」が表示されます。
ただし、ベビーカーには施行日から2年間の経過措置期間があり、その間は子供PSCマークが付いていない製品も販売されます。そのため、マークがないことだけを理由に、直ちに違法な製品や危険な製品と判断するものではありません。
経過措置期間中は、子供PSCマークに加えて、SGマークなどの安全基準への適合表示、対象月齢、警告表示、取扱説明書が確認できるかも判断材料にしましょう。
使用中に守りたいこと
- 短時間でもシートベルトを毎回装着する
- ハンドルに重い荷物を掛けない
- 子供を乗せたままベビーカーから離れない
- 停止時はストッパーを使用し、手も添えておく
- 段差や溝では速度を落とし、取扱説明書に従って操作する
- 開閉時は子供の手や指が近くにないか確認する
- がたつき、亀裂、車輪の異常があれば使用を中止する
消費者庁やNITEからも、シートベルトの未装着、ハンドルへの荷物、段差での転倒、開閉時の指挟みについて注意喚起が出ています。ベビーカーの型にかかわらず、毎回の確認が事故防止につながります。
ベビーカーA型・B型の違いに関するFAQ
A型とB型ではどちらが長く使えますか?
A型・B型とも、SG基準では最長48か月までの範囲で使用期間を設定できます。
実際に何歳まで使えるかは、製品ごとに定められた対象月齢と体重によって異なります。「B型のほうが必ず長く使える」とは限らないため、両方の上限を確認してください。
B型は生後6か月になれば使えますか?
月齢だけで判断せず、一人でおすわりができることと、商品の使用開始条件を満たしていることを確認します。
おすわりが安定する時期には個人差があります。生後6か月から使用できる表示がある製品でも、姿勢が安定しない場合は無理に使わず、メーカーの案内を確認してください。
A型ベビーカーはいつまで使えますか?
使用できる期間は製品によって異なり、36か月まで、48か月までなどの設定があります。
対象月齢内でも体重上限を超えた場合や、シートが窮屈になった場合、各部に異常がある場合は使用を続けないでください。
A型を買わずにB型だけでも大丈夫ですか?
おすわりができる時期まで抱っこ紐や車移動などで対応できる家庭なら、B型だけを購入する方法があります。
低月齢から徒歩で外出する機会が多い場合や、抱っこでの移動が負担になる場合は、A型の購入またはレンタルも検討するとよいでしょう。
A型からB型へ買い替える時期はいつですか?
月齢だけでなく、現在のA型に不便を感じるようになった時期が検討の目安です。
階段で重い、電車内でたたみにくい、車に積みにくいといった負担が増えた場合は、B型へ替えるメリットがあります。A型を問題なく使えている場合は、急いで買い替える必要はありません。
軽いベビーカーを選べば使いやすいですか?
持ち運びには軽い製品が便利ですが、押しやすさ、段差の越えやすさ、収納力、安定感とのバランスも必要です。
本体重量だけで順位を決めず、子供を乗せた状態を想定して、押す・曲がる・たたむ・持ち上げる動作を確認しましょう。
まとめ|A型とB型は使用開始時期と移動方法で選ぶ
ベビーカーA型・B型の中心的な違いは、使い始められる時期です。A型は新生児期を過ぎた生後1か月から、B型は一人でおすわりができる生後6〜7か月ごろから使えるものとして分類されています。
低月齢から使うならA型、おすわり後から使い、軽さや収納性を優先するならB型が基本の選び分けです。
ただし、重量、折りたたみ寸法、走行性、リクライニング、シートの向きは製品ごとの差が大きく、A型・B型という分類だけでは決まりません。
A型を1台使い続ける、最初からB型を選ぶ、A型からB型へ買い替えるという3つの方法から、使用開始時期、階段の有無、移動手段、収納場所に合う買い方を選びましょう。
対象月齢や体重、仕様、安全表示は製品によって異なります。購入前にメーカー公式情報、商品表示、取扱説明書を確認し、子供の成長や家庭の移動環境に合うものを選んでください。安全面に不安がある場合は無理に使用せず、メーカー窓口などへ確認しましょう。
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